TE4121Cの裏技コマンド
コマンドにある「192.168.1.1」はTE4121CのIPアドレスです。
TE4121CのIPアドレスを工場出荷初期値から変更している方は、変更後のIPアドレスでコマンド実行してください。
- デバッグ用コマンドメニュー
http://192.168.1.1/cgi-bin/debugcmd.cgi?cmd=menu
- メニュー表示
この「デバッグ用コマンドメニュー」が再表示されるだけです。
- mbglog表示
モデムルーター起動後を0とした「日/時/分/秒」で記録されます。表示されている日時は機器再起動でゼロクリアされますので、ログでは途中で突如0日に戻ります。ユーザー側またはISP側で切断したときはエラーが記録されず、PPPの確立の行のみ残ります。
- mbglogクリア
mbglogを消去します。
- exclog表示
(不明です。)
- PPPログ状態表示
PPPログON/OFFの状態を表示します。デフォルトは「OFF」です。
- PPPログON
PPPログ取得を開始し、mbglogに反映します。
- PPPログOFF
PPPログ取得を停止します。
- G.hsログ表示(+sno:サンプルセッションの変更(1-8))
G.hsログを表示します。この情報はG.994.1(G.hs: ハンドシェーク手順)です。
「http://192.168.1.1/cgi-bin/debugcmd.cgi?cmd=ghs+n(nは1〜8)」とするとサンプルセッションを変更します。
- G.hs受信タイムアウト時間表示(+time:タイムアウト時間変更(tick
1-60))
設定されているG.hs受信タイムアウト時間を表示します。デフォルトは「1000ms」です。
「http://192.168.1.1/cgi-bin/debugcmd.cgi?cmd=toutghs+n(nは1〜60)」とするとG.hs受信タイムアウト時間を10ms単位で変更できます。なお「n=100」としてみたら「1000ms」に設定できたので(tick 1-60)の範囲制限は意味不明です。
- 回線タイプ表示
動作中の回線タイプを表示する。デフォルトは「AUTO」です。「AUTO」「G.992.1」「G.992.2」「T1.413」のいずれかを表示します。以下の「回線タイプAUTO設定」「回線タイプ G.992.1設定」「回線タイプ G.992.2設定」コマンドを試してみて正常にリンクモードが切り替わるのが確認できました。「回線タイプ
T1.413設定」ではリンクできませんでした。従って、T-comの場合、収容局側のDSLAMは自動切換えのようです。久々に1.5Mbpsモードにしてみました。やはり我家では1.5Mbpsモードではフルリンクします。そして電話着信時でADSLリンクが切れなくなります。やはり1.5Mbpsモードは安定です。自分で帯域調整できるようなものですから、8Mbpsで安定しないという人は試す価値があると思います。
- 回線タイプAUTO設定
回線タイプを「AUTO(自動)」に設定する。
- 回線タイプ
G.992.1設定
回線タイプを一時的に「G.dmt
(G992.1) 8Mbps 固定」にする。
- 回線タイプ
G.992.2設定
回線タイプを一時的に「G.lite
(G992.2) 1.5Mbps 固定」にする。
- 回線タイプ
T1.413設定
回線タイプを一時的に「T1.413
固定」にする。
- G.hsモード表示
G.hsバイパスモードON/OFFの状態を表示する。デフォルトは「OFF(normal)」です。
- G.hsバイパスモードON
G.hsバイパスモードをONとする。
- G.hsバイパスモードOFF
G.hsバイパスモードをOFFとする。
- telnetd起動状況表示
(「telnetd not
supported, no shell system」と表示されるだけです。)
- telnetd起動
(「telnetd not
supported, no shell system」と表示されるだけです。)
- DSPレジスタ読出し(+addr:レジスタアドレス)
「http://192.168.1.1/cgi-bin/debugcmd.cgi?cmd=dmpdsp+n(nは数字)」とするとDSPレジスタアドレスnに設定されている値を表示します。
- DSPレジスタ設定(+addr+data:レジスタアドレス、設定値)
「http://192.168.1.1/cgi-bin/debugcmd.cgi?cmd=dmpdsp+n+p(n,pは数字)」とするとDSPレジスタアドレスnにpの値を設定します。
- TONE情報の表示
- ADSLの各チャンネルに割り当てたビット数がグラフで表示されます。
- FEXT(Far End CrossTalk, 遠端漏話)パターンと NEXT(Near End CrossTalk, 近端漏話)パターンは1.25msごとに切り替わります。
- 横軸はチャンネル番号で、「番号×4.3125=周波数(kHz)」の関係があります。
- 縦軸は伝送bit数です。
- 64チャンネルはADSLパイロット信号なので無視して構わないです。
- TONE情報から読取れること
- 高周波側(右側)が欠けるのは、距離による減衰
- FEXTに比べNEXTが落ちている、または、大きなうねりのような欠けがある時はISDN干渉
- DBM(Dual
Bit Map)モード時はFEXT/NEXTとも表示される。
- FBM(Fext
Bit Map)モード時はFEXTだけ表示され、NEXTは表示されない。
- ADSL新規契約時点ではDBMモードですが、ADSLプロバイダに帯域調整を依頼するとFBMモードになることがある。
- 64,
138, 161, 221, 249チャンネルにビットの落ち込みがあります。これらの周波数を計算すると以下となり、ピッタリAMラジオ放送の影響を受けていることがわかりました。
§ 64 x 4.3125 = 276KHz
§ 138 x 4.3125 = 595KHz (NHK1 594KHz)
§ 161 x 4.3125 = 694KHz (NHK2 694KHz)
§ 221 x 4.3125 = 953KHz (TBS 954KHz)
§ 249 x 4.3125 = 1074KHz
- TONEデータ(CSV)の表示
ADSLの各チャンネルに割り当てたビット数がCSVで表示されます。
- TONE情報の更新
TONE情報を再収集します。
- システムコマンドメニュー
http://192.168.1.1/cgi-bin/syscmd.cgi?cmd=menu
- メニュー表示
この「システムコマンドメニュー」が再表示されるだけです。
- IEEE8023パケット送信状態表示
(不明です。)デフォルトは「OFF」です。
- IEEE8023パケット送信ON
(不明です。)
- IEEE8023パケット送信OFF
(不明です。)
- ADSLラインOAM監視状態表示
OAM機能(警報転送、ループバック)による監視状態AUTO/ON/OFFを表示します。デフォルトは「OFF」です。
- ADSLラインOAM監視自動
OAM機能による監視を「AUTO」に設定します。
- ADSLラインOAM監視ON
OAM機能による監視を「ON」に設定します。
- ADSLラインOAM監視OFF
OAM機能による監視を「OFF」に設定します。
- 現在時刻表示(時刻セット:cmd=date+YYYY+MM+DD+hh+mm+ss)
現在時刻を表示します。
「http://192.168.1.1/cgi-bin/debugcmd.cgi?cmd=date+YYYY+MM+DD+hh+mm+ss(YYYY,MM,DD,hh,mm,ssは数字で、それぞれ 年,月,日,時,分,秒)」とすると時刻設定できます。
- ATM
RAWチャネルカウンタ表示
ATM RAW Channel Interface MIB Counter情報を表示します。通過パケット数やエラー数などです。
!!!TE4121Cは面白い!!!
TE4121Cフォームウェアのバージョンアップ
- Ver1.04
TE4121Cを入手した時はこのバージョンでした。
- Ver1.06
2001年12月28日、 eAccess
のサイトでこのバージョンが発表されました。(2002年2月19日にT-comでも同じバージョンのファームウェアが発表されました。)
早速ダウンロードしてTE4121Cをアップデートしてみました。
· -------------------------------------------------------
· バージョン情報
· MegaBit Gear TE4121C
· Hardware Revision: 0000
· Software Version: 01.06 (Tue Dec 4 09:31:40 JST 2001)
· Boot ROM Version: 01.06 (Tue Dec 4 09:32:33 JST 2001)
· DSP Firmware Version: 17.10
· -------------------------------------------------------
変更内容は以下です。
- 性能改善
ノイズ耐性の向上などの性能が改善されています。
AMラジオなどからの干渉について耐性を向上させました。モジュラージャックに直接モデムをつなげた場合、安定する回線が、スプリッタを利用することにより、著しく速度が低下するあるいは接続できないお客様は、ファームウェアをバージョンアップすることにより、この現象が回避される可能性がございます。
- PPP関連不具合修正
NATルータモードでPPP
over ATMまたはPPP over
Ethernetを使用中に、相手側からPPPの切断・再接続が行われ、かつその前後で配布されたIPアドレスが変更された場合、WEB画面上ではIPアドレスの変更が行われたように見えますが、内部で保持するIPアドレスの書き換えを行わないため通信ができなくなる問題を修正しました。
- WEB設定画面:IEオートコンプリート機能対応
Internet Explorer 5.0以降で追加されたオートコンプリート機能(フォームに入力した値の履歴を保持し、次回入力時に候補として表示する機能)を使用して値を入力した場合、項目によっては入力した値が有効にならない件について対応致しました。
この「PPP関連不具合修正」の現象は私のところで確認されています。これは大バグで、この不具合のために常時接続の設定ができずに困っていました。これで安心して常時接続できます。またDSPのファーム更新で対ノイズ性が上がったのか、リンク速度も少し向上しています。
- Ver1.11
2002年5月8日、 eAccess
のサイトでこのバージョンが発表されました。
早速ダウンロードしてTE4121Cをアップデートしてみました。
· -------------------------------------------------------
· バージョン情報
· MegaBit Gear TE4121C
· Hardware Revision: 0000
· Software Version: 01.11 (Mon Apr 22 09:29:01 JST 2002)
· Boot ROM Version: 01.11 (Mon Apr 22 09:30:00 JST 2002)
· DSP Firmware Version: 18.60
· -------------------------------------------------------
変更内容は以下です。
- 安定性と通信速度が向上
メーカーの発表では「安定性と通信速度が向上」とのことです。確かに前のバージョンと今回のバージョンを比べると、DSP
Firmware のバージョンも同時に上がっているので何らかの信号処理改善があったようです。私の環境では通信速度が数%改善されました。安定性については今後監視することにします。
- GapNATに対応
この機能により、LAN内の1台のパソコンにグローバルIPアドレスをふれるようになったので、MS
Net Meeting とかネットゲームとかのグローバルIPアドレスを必要とするソフトに完全対応できます。ただし、セキュリティに気を付けたほうが良いです。便利さとセキュリティとは相反します。
- 機器状態情報にてDNSのセカンダリが表示されるようになった。前のバージョンではセカンダリ表示がなかったような気がする。
GapNATに対応したことで
TE4121C を
PPPoA 認証付きのブリッジとして使えると思われます。
というのは TE4121C
の CPU処理能力が十分であるかどうかに疑問があり、できれば
TE4121C をブリッジとして使ってみたかったのです。ブリッジなら単機能なので
TE4121C の最高速度が出せるのではないか・・・ルータに高速なものを使えば
LAN 内の同時処理性が向上し、IPフィルタリング&フォワーディングなどの設定を加えても十分な速度が得られる・・・と考えています。
試してみました。
TE4121Cの後(LAN側)には高速ルータの
corega BAR
SW-4PHG を入れました。
o ADSL---TE4121C[LAN]---[WAN]ルータ[LAN]---LAN
- TE4121C 本体の IPアドレスは標準の
192.168.2.1 としました。
- TE4121C の IPフィルタや
NAT設定などは全てクリア(工場出荷時の状態)しました。
- GapNAT設定を以下としました。
- プライベートIPホストで外部との通信を「行わない」
- LAN
内のグローバル−プライベート間通信を「行う」
- MACアドレス「ルータのWAN側MACアドレス」
以上で
TE4121C は見掛けはブリッジとして働きます。
- すべてのセキュリティはルータで稼ぎます。
- ルータのWAN側モードはDHCPでIPアドレスとDNSアドレスを自動取得にします。
- ルータ本体の IPアドレスは
192.168.1.1 にします。
以上で、TE4121C の設定を変更する場合は LAN 内のパソコンから
192.168.2.1 へ、ルータの設定をする時は
192.168.1.1 へアクセスすればできます。
<結果レポート>
- 全く思った通りの動作をしました。
corega BAR SW-4PHGのWAN側にはちゃんとグローバルIPアドレスが設定されました。全くブリッジと同様です。
- corega
BAR SW-4PHGのLAN側にインターネットサーバーを接続し、これに
corega BAR SW-4PHGのバーチャルサーバー設定をすると、インターネットにサーバーを公開できました。
- 重大な問題が発覚しました。
T-com ADSLサービスでは定期的にグローバルIPアドレスを変更するのです。このグローバルIPアドレスが変更されたことを
corega BAR SW-4PHGが認識してくれないのです。このため、corega
BAR SW-4PHGでは以前のグローバルIPアドレスのままとなって、TE4121Cとの通信ができなくなります。手動で
corega BAR SW-4PHGのWAN側のDHCP取得を「解放」→「書き込み」とすると正常に戻ります。たぶん、corega
BAR SW-4PHGの問題と思います。
現状対応不可能なので使えない・・・という結論になりました。
ブリッジモードへの設定変更